Medical treatment診療内容
症状から探すしわ・たるみ

しわの見た目の症状については、詳しく説明しなくてもどなたでもおわかりになることと思いますので、あえてこの場では割愛させて頂きます。ただ、一概にしわと言っても大きく分けて3つの種類があります。1つは浅い小さなしわ、いわゆる小じわ、2つ目は主に目尻や眉間などに生じる表情じわ、そして3つ目は大きな深いしわである大じわにわけて考える必要があります。これらは同じしわでも原因が異なり、そのため治療法も異なってきます。小じわは、皮膚の主な構成成分であるコラーゲン(膠原線維)やエラスチン(弾性線維)と呼ばれるものが、老化などにより変性することで生じるものです。表情じわは、いわゆる表情筋と呼ばれる表情を作るための様々な筋肉群が硬くなったり、固まったりしてしまうことで生じます。そして大じわは、骨と筋肉をつなげる線維性組織である靱帯が伸びてしまったりすることで生じるものです。

それでは治療はというと、下記のようなものがあります。ただ、大じわの治療のためのヒアルロン酸注入については、現状どうしても必要な方や、希望の強い方に関して適宜対応させて頂く方針としております。ですので、薬剤や機材等を常備しておりませんので、取り寄せての治療になりますことをご了承下さい。

  • 小じわ:1064nm Nd:YAGレーザー、ダーマペン4、炭酸ガスレーザー(CO2RE)、エレクトロポレーション、ケミカルピーリング、ボトックス注入、ヒアルロン酸注入
  • 表情じわ:ボトックス注入
  • 大じわ:ヒアルロン酸注入

この中で特に当クリニックが力を入れているのは、選択肢の多さからもわかって頂けるように、小じわ治療になります。表情じわや大じわに関しては、部位やそのしわの症状により対応が可能ですので、ご相談頂ければと思います。最近ではしわやたるみのメカニズムがかなり詳細にわかってきて、ヒアルロン酸やボトックス、スレッドリフト(糸リフト)を用いて輪郭形成をすることも可能となってきました。ただ、これらの治療は美容皮膚科というよりも美容外科的な治療になってきますので、当クリニックでは行っていません。

それでは各治療に関して詳しい説明をしていきたいと思います。


ヒアルロン酸

 しわに対する注入治療としては、現在ボトックスと並び、最もポピュラーなものになります。見た目の改善効果は非常に高く、即効性に優れており、異物を注入するということに抵抗がなく、定期的に注入を繰り返す必要があることを許容できるのであれば、非常に有効な手段となります。ただ、自身のコラーゲンやエラスチンなどの成分が増加したりしているわけではなく、あくまで注入により形を整えている、ということになりますので、真の意味での若返り、アンチエイジングとは異なるかもしれません。

最近は前述したようにヒアルロン酸などを注入することで輪郭形成を行うなど、かなり注入療法も進歩してきております。手術ではないのでダウンタイムがほぼないことから手軽ではありますが、形成外科的な手術と同様の知識や技術が必要なことから当クリニックでは行っていません。当クリニックでのヒアルロン酸注入は小じわやほうれい線、マリオネットラインなど、部分的な治療としてのみ、場合により行います。ただ、私自身はこれらの小じわに対する治療は昨今の医療機器の進歩により、後述するレーザーやダーマペン4などにより、徐々に置き換わっていく可能性を感じています。というのも各項で詳しくは述べますが、レーザーやダーマペン4による治療というのは、コラーゲンやエラスチンを増加させたり、皮膚そのものを再構築することでしわや肌のキメなどを改善させます。つまり、真の意味での肌の若返り、アンチエイジングとなるからです。そういう意味で最初にヒアルロン酸注入は真の意味での若返りとは異なるかもしれないとお話ししたのです。ただ、表情じわや大じわなどに関してはこういった機器での治療には限界があります。そういった場合にはやはりヒアルロン酸やボトックスといった注入治療が必要になってくると思われます。


ボトックス

 美容治療に関して興味のある方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ボトックスはボツリヌス菌が持つ神経毒により、注射部位の筋肉を麻痺させることでしわを解消します。非常に効果はあり、眉間や目尻ではとても有効です。現在日本国内でも「65歳未満の成人における眉間と目尻の表情じわ」に対してボトックスビスタという商品が厚生労働省の認可を受けています。それ以外の部位での使用に関しては、認可されてはいないものの、実際には行われることも多い施術です。ただ、意図しない表情筋が麻痺してしまい、表情がなくなってしまうなどの問題が生じることもあり注意が必要です。効果はすぐには発現せず、投与から通常2-3週間程度で最大となり、3〜4ヶ月は効果が持続し、6ヶ月以内には効果が消失します。ですので、効果を持続させるには半年以内毎の投与が必要となります。ボトックスはしわの治療以外にも脇の多汗症や花粉症の治療にも用いられます。花粉症ボトックスは、抗ヒスタミン薬や点鼻薬での治療で十分な効果を実感できない方には特にお勧めです。一度ご相談頂ければと思います。


1064nm Nd:YAGレーザー

 当クリニックでは、しわやたるみの治療、肌の張りの改善などを目的として、GentleMaxProのヤグレーザー(可変式ロングパルスNd:YAGレーザー)を用いています。このレーザーは1064nmという長い波長のため、表皮へのダメージが少なく、他の波長に比べて皮膚の深いところまでレーザーが届くという特徴があります。そのため、皮膚の深い部分に十分な熱を伝えることができ、真皮へ十分な効果をもたらすことで、しわやたるみ、肌質の改善などに寄与します。その作用機序について、まだ十分に解明はされていませんが、一つの仮説として、レーザーにより皮膚の深い部分に十分な熱を加えることでヒートショックプロテインというものが産生され、毛細血管の透過性亢進や各種炎症性物質の放出、コラーゲンの産生などが引き起こされることで、細胞の修復を促し皮膚を再生させることにより、しわやたるみ、肌の張りの改善などが誘導されるのではないかと考えられています。また、このレーザーはメラニンだけでなく、血液中のヘモグロビンへの吸収度も高いため、血管病変にも効果があり、酒さなどを含めた赤ら顔やニキビ痕の赤みなどの治療にも適していますので、こういった症状に対しても同時に効果が期待できます。

 この治療は基本的にダウンタイムのない施術であり、当日からメイクや入浴も可能です。1ヶ月毎程度に繰り返し行っていくことで効果が期待でき、予防効果もあります。ただ、コスト的に難しいようであれば、まずは1ヶ月毎に4-5回ほど行い、その後は維持のためにも3ヶ月毎くらいで継続することをお勧めします。

 照射方法としては、レーザーシャワーと呼ばれる照射法と、通常の接触照射の2種類があります。レーザーシャワーは通常の照射と異なり、ディスタンスゲージを肌に直接当てずに中空照射をします。そのため痛みもほとんどなく、暖かいシャワーを浴びているような照射法になるため、この様に呼ばれています。もちろんダウンタイムもほとんどなく、副作用もありません。それに対して通常の接触照射は通常のレーザー照射と同様に、ディスタンスゲージを直接肌に当てて照射する方法です。こちらではレーザーシャワーに比べて痛みは伴いますが、しわやたるみ、肌のハリの改善、リフトアップなどへの効果は強く期待できます。回数はかかってもいいので、痛みをできる限り抑えたいということであれば、レーザーシャワーが最も望ましい照射法だと思います。


炭酸ガスレーザー (CO2RE)

 当クリニックでは、美容目的におけるフラクショナル照射モードの、国内初の厚生労働省の承認を得た炭酸ガスレーザーであるCO2RE を導入しています。前述のNd:YAGレーザーによる治療はノンアブレイティブ、つまりダウンタイムのない治療となりますが、炭酸ガスレーザーによる治療はアブレイティブな、ダウンタイムのある治療になります。つまり、施術後1-2週間は赤みやかさぶたを生じる施術になります。ただ、その効果はYAGレーザーによる治療に比べ格段に高くなりますので、そのダウンタイムを乗り越えられる場合には非常によい選択肢となります。炭酸ガスレーザーによる治療では小じわの改善だけでなく、肌質改善や毛穴の開大にも十分な効果がありますので、皮膚の若返りの治療としては非常に効果の高い治療となります。炭酸ガスレーザーのフラクショナル照射では、皮膚に非常に小さな穴をあけ傷を作ることで、創傷皮膚機転を生じさせ、コラーゲンやエラスチンの再生を促し、さらに熱ダメージにより皮膚の収縮作用も引き起こすことで、皮膚を真皮から表皮までダイナミックに再構築します。これらの治療はニキビ痕やその他の瘢痕などの治療としても非常に有効な手段となります。この様な治療ですので、1回の治療でも十分な効果を実感して頂けるかと思いますが、複数回行うことでさらなる皮膚の若返りを期待できます。ただ、欠点はやはりそのダウンタイムですので、その点を許容できないとなかなか難しい治療になります。とはいえ、現在ある皮膚の若返り治療、いわゆるリジュビネーションでは最も効果が高いのが炭酸ガスレーザーによる治療と思われますので、もし、ダウンタイムが許容できるのであれば、非常によい選択肢と思われます。


ダーマペン4

 人間の皮膚は傷ができるとそれを治そうとする自己治癒力(修復力)が備わっています。ダーマペンは極細針の長さと速度をコントロールし、皮膚に肉眼では見えない程の微細な穴を無数に開けることで皮膚の創傷治癒効果(修復機能)を高め、コラーゲンやエラスチンなどの増生を促し、肌質や瘢痕を改善させていきます。これはマイクロニードリング療法と呼ばれ、ダーマペン4には33G、約0.2mmという極細の針が16本あり、その針で毎秒1,920個もの微細な穴を開けることができ、さらにその針の長さを0.1mm単位で0.2-3.0mmまで調整できます。その針の長さを調節することで、シミや肝斑、毛孔性苔癬(両腕や体のざらざら)や肌のしわやたるみ、育毛、ニキビ痕や傷痕など、あらゆる皮膚の症状の改善に用いることができる非常に汎用性の高い機器になります。また、ダーマペン4では各種様々な効能を持った薬液を同時に用いて、微細な穴から直接皮膚の中に導入することが可能ですので、その効能により様々な効果をもたらすことが可能です。

 そして、これだけ様々な皮膚の症状の改善をもたらすにもかかわらず、ダーマペン4ではダウンタイムがほとんどないこと、痛みも少ないことが大きな特徴です。これは非常に大きなメリットで、今までは炭酸ガスレーザーのフラクショナルレーザー治療を行いたいけれど、ダウンタイムが耐えられないといった方々にも非常によい選択肢になるのではないかと思います。

ダーマペン4の項に他にもかなり詳しく記載していますので、そちらを読んで頂くとよいかと思います。


マッサージピール(コラーゲンピール)(PRX-T33

PRX-T33は針のいらないバイオリバイタライゼーション、通称マッサージピールと呼ばれ、トリクロロ酢酸(TCA)によるケミカルピーリングの一種です。TCAによるケミカルピーリングはかなり以前より行われている代表的なピーリング法の一つですが、その作用の強さのため、ピーリング後の色素沈着などの有害事象が問題でした。メラニンが多く、皮膚が薄い日本人の場合、TCAピーリング後は長期間にわたって、紫外線防御が必須であったため、それほど普及しませんでした。ただ、その作用は他のピーリング剤よりも強力なため、深いニキビ痕など効果を最大限発揮したい場合などでは適宜行われてきました。このPRX-T33もTCAによるピーリング剤なのですが、過酸化水素水が含まれており、これにより酸によるピーリング作用を緩和することで、TCAピーリングによる有害事象を最小限に抑制することができるようになりました。

マッサージピール(コラーゲンピール)(PRX-T33)の項にもかなり詳しく記載していますので、そちらを読んで頂くとよいかと思います。


エレクトロポレーション(メソアクティス)

 以前から行われているイオン導入や超音波導入などはイオン化できるものしか導入できなかったり、分子量の小さなものしか導入できないため、導入できる成分にはかなり制限がありました。そこで考案されたのが電気穿孔法と呼ばれるエレクトロポレーション(メソアクティス)です。エレクトロポレーションは「注射針のいらないメソセラピー」と言われており、針の代わりに特殊な電流を用いて、皮膚のバリア機能を一時的に弱めることですき間を開け、有効成分を注入します。そのためヒアルロン酸など分子量の大きなものや、その他様々な有効成分を注入することが可能です。針を用いないことから痛みは全くなく、また、レーザーやダーマペンの様に施術ができないという条件もありません。ダウンタイムも全くなく、美容成分を広範囲に容易に導入できる、非常に有用な施術です。ケミカルピーリングとの相性も非常によく、併せて行うことでさらに導入効率を上げることが可能ですので、ケミカルピーリングとの併用が推奨されます。

エレクトロポレーションの項にもかなり詳しく記載していますので、そちらを読んで頂くとよいかと思います。


ケミカルピーリング

 ケミカルピーリングは、皮膚に薬剤を塗布して化学的に皮膚の古い角質を剥離させ、自身の皮膚が再生してくることを利用することで、様々な効果をもたらします。創傷治癒機転というものを利用して皮膚が再生することで、皮膚の再構築、いわゆるリモデリングを起こさせ、コラーゲンやエラスチンの生成促進などを引き起こします。それにより肌のハリやキメなどを整え、しわやたるみのない健やかな皮膚へと導くことができるのです。これを聞くとダーマペンと同じような作用、つまり創傷治癒機転を利用した治療ということになるのですが、この点での効果はというと、やはり最近になり著しい進歩を遂げているダーマペンに、一日の長があるかと思います。コスト的にはケミカルピーリングの方が抑えることはできますが、よりそういった効果を求めるのであれば、やはりダーマペンということになるでしょう。ただ、ケミカルピーリングはエレクトロポレーションとの併用が非常に効果的であり、ダーマペンによる施術にも劣らない効果を期待できると思います。

ケミカルピーリングの項にもかなり詳しく記載していますので、そちらを読んで頂くとよいかと思います。


スキンケア

 毎日、各種ホームケア用品を用いてしわの改善を図ります。レチノールやアスタキサンチン配合ジェルなどが代表的なしわ改善が期待できる製剤となりますが、やはりホームケアのみでの改善にはかなり限界があるのが現状です。どちらかというとお勧めはやはり、いずれかのしわ改善のための施術を行った上での、施術効果の維持、しわの予防を目的としてホームケア用品は位置づけて頂くのがよいかと思います。