Medical treatment診療内容 症状から探すビマトプロスト
ビマトプロストは、上まつ毛の長さ、太さ、濃さを改善する外用薬です。ビマトプロストは米国ではFDA(米国食品医薬品局)により2009年に睫毛貧毛症(まつ毛貧毛症)の治療薬として承認され、2013年10月の時点では世界23カ国で承認されている医療用医薬品です。日本では2014年3月にビマトプロストが国内で初めて厚生労働省に睫毛貧毛症(まつ毛貧毛症)の治療薬として製造販売が承認され、同年9月から使用できるようになりました。
ビマトプロストは、最近よくCMで見かける市販されているまつ毛美容液やまつ毛育毛剤とは根本的に異なり、治療を目的とした医療用医薬品ですので、医療機関で医師の診察を経ないと購入することはできません。市販されているまつ毛美容液は化粧品の範疇に含まれますので、医薬品や医薬部外品よりも副作用は少ないのですが、その分当然、効果においてもかなりマイルドに作られており、その効果には歴然とした差があります。まつ毛育毛剤は医薬部外品になりますので、厚生労働省が認可した有効成分が一定濃度含まれており、美容液よりは効果もありますが、やはり医薬品と比べてしまうとその効果には大きな差があります。ビマトプロストは、まつ毛の成長期の期間を延長することで、まつ毛の長さ、太さ、濃さを改善していると考えられています。
女性の多くでは、マスカラやまつ毛エクステといった方法で、まつ毛を長く、太く、濃くしている方も多いかと思います。ただ、そういった方法ではまつ毛自体に負担を与えてしまうため、まつ毛が抜けやすくなったり、アレルギー症状が出たりしてしまうことがあります。ビマトプロストでは自分のまつ毛そのものを長く、太く、濃くすることができるため、そういった心配はなく、何よりも仕上がりがナチュラルになるという点が大きなメリットです。
- 注意事項
- 眼疾患または眼手術後で治療中の方は、必ず眼科かかりつけ医に相談してからの処方になります。
- 1日1回、各眼1滴ずつの使用を必ず守り、下まぶたにはつかないように気をつけて下さい。
- 薬が上まつ毛の生え際以外についた場合は、すぐに拭き取るか、洗い流して下さい。
- 一度使用した専用ブラシは必ず破棄して下さい。
- 化粧を落とし、洗顔を済ませ、清潔な状態で使用して下さい。
- 薬をつける際は、必ずコンタクトレンズを外して下さい。再装着する場合は薬をつけて15分以上経過してから行って下さい。
- 保管は直射日光を避けて室温(1-30℃)で保管して下さい。
- 副作用について
- 重大な副作用が二つありますが、いずれも日本人を対象とした臨床試験では報告されていません。一つは虹彩色素過剰(黒目(虹彩)の色が濃くなる)、もう一つは眼瞼溝深化(まぶたがくぼむ)です。
- 重大な副作用ではありませんが、眼の周りが黒ずんだり、多毛になったりすることがあります。
これらの症状を自覚した場合はすぐに受診をして下さい。塗布を中止することで元に戻る可能性があります。それ以外にも、まぶたの痒み、目がしみる、目の痒み、目の痛みなどの症状が出ることもあります。これらの症状が持続する場合も受診をして下さい。
- 処方できない方
- 妊娠中、授乳中の方
- 過去にビマトプロストに含まれる成分でアレルギー反応を起こしたことがある方
- 15歳未満の方
- 慎重に投与する必要がある方
- 眼に水晶体のない方
- 眼内レンズ挿入している方
- 硝子体手術等の内眼手術の既往のある方
- 高齢者(基本的には65歳以上)の方
- プロスタグランジン系点眼薬またはラタノプロスト含有点眼薬を使用中の方
これらの方は基本的には処方できない可能性が高く、処方する場合はかかりつけの眼科医の許可が必要となります。